『あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない』1話がどれだけ上手く構成されているかを分析

①じんたん部屋・昼

ゲームしてる、めんま登場

外でカップルがいちゃついてる

「お前らの劣勢のいでんしを残すな」 

 

②居間

じんたんラーメンつくる

めんまねえーかきたまがいいのー」(フリA)

親父はめんまに無反応、じんたんもめんまを無視することにする

めんま無視されてムッとする、じんたんの股間に座る

じんたん気絶する(フリB)

 

<この時点ではめんまが何なのか明かされていない。しかしじんたん父にめんまの姿が見えてないことで視聴者に「おや?」と思わせている

 

女子に股間に座られるというのは思春期の少年的には「事件」>

 

③回想(オチB)

じんたんが取ったカブトムシが一番大きい

あの頃の夏……

めんま「あのね、お願いがあるの」

OPへ

<②で気絶したことをきっかけに 過去が蘇る>

 

④居間

意識を取り戻すじんたん

氷の枕と冷えピタ

トラウマが夏の暑さのせいで具現化した?(フリG)

めんまにもわかんない

お願いを叶えて欲しい?

めんま「みんなじゃなきゃかなえられないお願い」

チャイムが鳴る

 

めんまの願いを叶えることが、この物語のベクトル

序盤にベクトルを示している

そしてトラウマとは何か??>

 

⑤玄関

あなるが登場

めんまがあなるに抱きつく

あなるにはめんまが見えていない

夏休みの宿題を届けに来た(フリD)

あなる「あんたみっともないよ」(フリC)

じんたんにダメージ……

めんま動揺する

 

⑥居間

「どうしてお願い叶えてって頼まなかったの?」

あなると呼ぶな、とじんたん

昔のあいつとは違う

めんま「あなるの悪口言うじんたんなんて嫌いだよ」

じんたん「その願いってのを安城にしてみればわかるだろ、安城だけじゃない、あの頃とは全部変わっちまったってこと」(フリE)

 

⑦玄関

じんたんの変装を待つめんま

玄関の外から近所の主婦の話声

外に出づらい……(フリD)

めんまと喋ってることを変に思われる

 

<じんたんがいつまでも家にいると話が転がらないから、ここで外に出る> 

 

⑧街中・夕方

散歩

同じ中学だったやつらとそれ違う、やけに嫌そうなじんたん(フリD)

 

⑨線路

じんたん「安城だって言ってたじぇねえか、誰も俺のことなんて気にしてないって」

お願いはめんまに対しての……

めんまが線路の柵から落ちそうになる

昔の記憶がフラッシュバック、めんまを助けようとヘッドスライディング(フリF)

眼鏡ひろう、つることゆきあつ(オチF)

 

<キャラの印象をつけるためには、どんなシチュエーションでどんな行動を起こさせるかが重要

⑨ではめんまを助けるためにじんたんが体を張っている

 

ただばったりとつることゆきあつに遭遇するだけでは演出として最悪だから、ヘッドスライディングしているところを見つかる形にしている

> 

 

⑩あなるの部屋・夕方

ノックしない母親、じんたんの話をされる

あなる「みっともないのは、私だ……」(オチC)

 

<⑤での台詞が自分に刺さっている>

 

⑪線路

じんたん(俺の着るはずだった制服……) (フリD)

すぐに踵を返す

めんまがゆきあつとつるこに反応

ゆきあつ「めんま?」

ゆきあつ「お前高校行ってないらしいな」(オチD)

つるこ「本間芽衣子のことで人変わるのってさ、あんたも同じじゃない?」

 

<今までもなんとなくほのめかされていたが、⑪ではっきりとじんたんが高校に行ってないことが明かされる

 

あなる・つるこ・ゆきあつに会うことができて、めんまの感情は一旦上がるが、その後すぐに下がっている

上がったら下がるというのはフィクション世界の法則

良いことばかりが続くとストーリーがだるくなる、逆もまた然り

 

1話ではじんたんの感情はずっと下がっている>

 

⑫街中・夕方

俺も含めてみんな変わっちまったんだ(オチE)

じんたん「お前がいるとやなこととかやなこととか思い出して苛々すんだよ」

<⑥の台詞とつながっている、全部変わったというのはじんたんも変わってしまったということだった> 

 

⑬玄関・夜

じんたん「あの頃の夏はこんなんじゃなかった」

 

<①~⑫の出来事を受けて、⑬⑭⑮はじんたんの心情を描く

心の外での動きから心の内での動きにシフトしている> 

 

⑭回想

平和バスターズの名前決まる

みんなが俺の後を付いてきたあの日 

 

⑮回想

あなる「じんたんってめんまのこと好きなんでしょ?」

じんたん「誰がこんなブス!」

めんま困ったように笑う

じんたん家に帰る、テーブルにチャーハン置いてある

明日謝ればいいなって思った。だけどその明日は永遠に来なかった(オチG)

 

<じんたんのトラウマが明かされる

隠されているものは明かされなければいけないというのもフィクション世界の法則> 

 

めんまの家

カレーの匂い

勝手にドアが開く

めんま母がめんまの仏壇にカレーをそなえている

弟「死んだら飯なんて食わないだろ?」

抜けたとこあるから自分が死んだこと気づいてないかもしれない、と母(フリH)

めんま「知ってるよ……めんま、自分が死んじゃったこと、知ってるよ」(オチH)

コップ落ちる

 

<一話で印象的なめんまの台詞

母の台詞を受けて答えている

シーンとシーンだけじゃなく、台詞と台詞にも因果関係がある> 

 

⑰居間・夜

なんとなく離れて行った平和バスターズ。そして今に至る

卵を割ろうとしてめんまを思い出す、かきたま(オチA)

外に飛び出す

 

<②とつながっている、こういう細かいところが上手い

卵というアイテムを再活用>

 

⑱街中

猛然と走る

じんたん「俺は欲しかった。ずっと、あの日の明日が、めんまに謝れる明日が欲しかった」

 

<謝るというワードがまた出てきた

一度出たワードを何度も使うことで強調している> 

 

⑲秘密基地

じんたん「俺はめんまに謝るためにめんまを作り出した」

秘密基地に生活の跡がある

熟女もののエロ本、じんたん「これはマニアックすぎだろ

後ろにポッポ

 

<ただばったりとぽっぽに出くわすだけだと演出として最悪。エロ本というアイテムを使うことでぽっぽの登場を印象的なものにしようとしている

 

めんまが現れた理由として一応の答えを示している

めんまに謝る、めんまの願いを叶える。ここら辺の要素を中心に話が転がって行くことになる>